離婚の手続きを進めていると、必ずと言っていいほど出てくる「公正証書」という言葉。
「公証役場ってどこにあるの?」
「公正証書って本当に必要?」
と疑問に思っている方も多いと思います。
私自身、初めて公証役場に足を踏み入れたとき、独特の雰囲気に少し戸惑いました。
今回は、公証役場の基礎知識から、離婚の公正証書の内容・費用・当日の流れまで、体験談を交えながら解説します。
公証役場・公証人とは?
公証役場は、法務省が管轄する公的機関です。
ただし、税金ではなく手数料収入で運営されている独立採算制というちょっと独特の立ち位置。
そのせいか、ホームページが少し手作り感があったり、建物も古いビルの一室だったり…と、お役所とも民間とも違う独特の雰囲気があります。
私が行った公証役場も、古いビルの中にありました。
受付を済ませると個室に案内されるのですが、なんとなく古めかしい病院の診察室みたいな雰囲気。(失礼)
待合室には、遺言の相談に来たのかな?というお年寄りの方もいて、
離婚手続きで来ているのは私達だけのような気がしました。
公証人は、その公証役場に勤務する法律の専門家です。
元裁判官や元検察官など、長年法律に携わってきた人が就任していることが多く、
法的に有効な書類を作成する権限を持っています。
日本公証人連合会 HP
詳しくこちらに載っています。
最近発見したのですが
公証事務に関するページが、一問一答で簡潔でわかりやすいです!
早く知りたかった。
公証役場は全国各地にあり、自分の都合で好きな役場を選ぶことができます。
(これは後ほど詳しくお話しします)
離婚で公正証書を作る理由
口約束や普通の書面では、相手が約束を守らなかった場合に強制力がありません。
公正証書を作る最大の理由は、「強制執行認諾文言」をつけることができるからです。
強制執行認諾文言(約款)とは?
強制執行認諾文言とは、簡単に言うと
「約束を破ったら、裁判なしで直接財産を差し押さえることに同意します」
という内容を公正証書に盛り込むことです。
たとえば養育費を支払わなくなった場合、通常であれば裁判を起こして判決をもらってから差し押さえという手順が必要です。 ところが強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、裁判なしで直接相手の給与や口座を差し押さえることができます。
これは非常に強力な効力です。
裁判をやって、判決を得たのと同じことなんです。
離婚後に「養育費が急に振り込まれなくなった」というトラブルは非常に多いです。 そのときのために、この文言を必ず入れておくことを強くおすすめします。これを入れないと公正証書を作る意味がないので必須です。
また、順番ですが、離婚届を実際出す前に、公正証書の調印を済ませましょう。
急いでるからと先に届を出してしまうと、
もうめんどくさいから公正証書なんかいいよ、やめようよという人が多いそうです。
お金を払うという事を約束させられる側にとっては、積極的にやりたいものではありません。
✅公正証書を作成→離婚届を提出
この順番にしましょう。
公正証書を作らないとどうなる?
公正証書がない場合、相手が約束を破っても即座に相手の財産を差し押さえることが出来ません。
調停・裁判など面倒な手続きで、支払いをしてもらうように申し立てをして訴えていかなければなりません。
慰謝料・養育費・財産分与など、お金に関わる約束は必ず公正証書に残しておきましょう。
公正証書に書ける内容
離婚の公正証書には、主に以下の内容を盛り込むことができます。
- 親権(どちらが子どもの親権を持つか)
- 養育費(金額・支払い期間・支払い方法)
- 面会交流(子どもと別居親が会う頻度・方法)
- 財産分与(預貯金・不動産・車など)
- 慰謝料(該当する場合)
- 年金分割(婚姻期間中の年金を分割する)
- 強制執行認諾文言
公証役場は自分で選べる
公証役場は、必ずしも自分の住んでいる地域の役場でなくていいのをご存知ですか?
全国どこの公証役場でも利用することができます。
別室で調印できる役場を選ぶという選択肢
DV被害がある方や、どうしても元配偶者と顔を合わせたくない方のために、
別室で調印できる公証役場もあります。
通常の調印は、夫・妻・公証人の3人が同じ部屋に集まって行います。 しかし別室対応をしてくれる役場であれば、お互いが顔を合わせることなく調印を完了させることができます。
私も「絶対に顔を合わせたくない!」と思っていたので、事前に別室対応ができるかどうかを事前に確認して公証役場を選びました。
電話で問い合わせたときは、集合時間をずらして対応しますよ。ということでした。
準備は早めにすすめよう
ところが——。
行政書士さんの経験不足と、年末が迫ってきて、気づけば「別室対応」どころではない状況に。
結果的に、別居してから1年半ぶりに夫と同じ部屋で調印することになってしまいました。
顔を合わせたくない方や、いつまでに絶対離婚したい!など、目標がある場合は
余裕を持って早めに公証役場に確認することをおすすめします。
依頼から調印までの流れ
公正証書ができるまでの流れはこんな感じです。
- 離婚条件の合意(夫婦間で内容をすり合わせる)
- 公証役場または専門家への依頼
- 下書きの作成(専門家に依頼する場合は専門家が作成)
- 公証人への提出・確認
- 修正・再確認(何度か繰り返すことも)
- 調印日の予約
- 調印(夫・妻・公証人が集まってサインと押印)
私の場合、行政書士さんが下書きを作成 → 私が確認 → 夫に確認 → 修正を何度か繰り返し → 公証人に提出 → また修正…という流れでした。
公証人を通すところがとにかく時間がかかります。 年末に向けて焦っていたこともあり、返事待ちの毎日は本当にストレスでした。
とにかく、事が進むのに時間がかかります!
余裕を持って、少なくとも3ヶ月前から動き始めるしょう。
離婚条件を固めるところから考えると、もっとかかるかもしれません。
費用の目安
公正証書の作成にかかる公証役場への手数料は、記載する金額の合計によって変わります。
目安としては以下の通りです。
| 記載金額の合計 | 手数料 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 11,000円 |
| 1,000万円以下 | 17,000円 |
| 3,000万円以下 | 23,000円 |
※養育費は支払い期間の合計額で計算されます。
※行政書士・弁護士に依頼する場合は別途報酬が必要です。
公正証書の費用を補助してもらえる、養育費確保支援事業とは
実は、公正証書の作成にかかった費用を自治体が補助してくれる制度があります。
「養育費確保支援事業」といい、多くの自治体で導入されています。 補助の金額や条件は自治体によって異なりますが、養育費に関わる公証役場の手数料が対象になることが多いです。
私自身も、養育費に関わる公証役場の手数料分の補助を受けることができました。
自分で申請しないともらえない、知らないと損する制度なので、ぜひ確認してみてください。
手数料の領収書は必ず取っておきましょう! 後から補助申請をする際に必要になります。
捨ててしまってから後悔しないように。
私がお世話になった公証役場は手数料の支払いはカードが使えました。
まずはお住まいの自治体のホームページや窓口で「養育費確保支援事業」
と検索・問い合わせてみてください。
養育費に関する公正証書等作成促進補助金(大阪市)
調印当日はどんな感じ?
調印当日は、夫・妻・公証人の3人(別室の場合は順番に)が集まり、
公正証書の内容を確認した上でサインと押印をします。
持ち物(一般的なもの)
- 印鑑(認め印でも可の場合が多いですが事前に確認を)
- 身分証明書
- 公証役場から事前に案内されたもの
公証人が内容を読み上げ、双方が合意したことを確認してから調印します。
思っていたよりも淡々と進む印象でした。
ただ、途中で公証人が席を外す場面があり、1年半ぶりに会った夫と二人きりになる時間が…。
気まずいなんてものじゃなかったです笑
顔を合わせたくない方は本当に、別室対応の役場を早めに確保することをおすすめします!
1年半ぶりに夫と対面しながらの調印は、感情的にはなかなかしんどいものがありました。
👇その長い長い一日のことは、こちらに書きました。
離婚ロードマップ|公正証書調印、そして離婚届提出〜怒涛の一日~
まとめ
※公正証書の内容や手続き・手数料は状況によって異なります。
詳しくは公証役場または専門家にご相談ください。
📌ここまでの離婚ロードマップ一覧はこちら


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