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弁護士に正式に依頼した私は、いよいよ慰謝料請求の準備に入った。
家庭内別居中ではあったが、まだ一つ屋根の下に暮らしていたので
いきなり、相手に慰謝料請求の内容証明を送ったら
夫に何を言われるか怖いという気持ちが大きかった。
弁護士のアドバイス
自分の状況を弁護士のR先生に相談すると
「一度冷静に、ご主人に、不倫のことを調べて、知っていること、
慰謝料を請求させてもらう事を伝えたらどうですか?」と言われた。
そしてそれを録音することも勧められた。
また、自宅ではなく、どこか喫茶店のようなところがいいというアドバイスも受けた。
2人だけになって、逆上されたら怖いし、それがいいと思った。
私は、アドバイス通りに
無断外泊をした夫にLINEをした。
私「いつ帰ってくる?ちょっと話したいことがあるから、
駅前の喫茶店で待ってるので帰りに寄ってもらえますか?」
夫「わかった。14時ごろかな。」
という返事が返ってきた。
もはや、昨日の無断外泊を、謝ろうともしない。もうどうでもいいのだろう。
私も無駄に問い詰めるのをやめた。
もう本題はそれじゃない。
喫茶店での対決|夫はひと言も謝らなかった
14:00少し前に私は指定した喫茶店についた。
そこは、カウンターでお金を払って自分で飲み物を席まで持っていくスタイルの店だ。
私はアイスコーヒーを注文してなるべく隅の席にしようと店内を見まわしたが
あいにく、日曜の昼すぎで、店内は混んでおり、
隣との距離が近く、話しずらそうだ。
「うーん、ファミレスにすればよかった。」と思っていた。
できるだけ、人が隣に居ない席に座り、
深呼吸をした。
言おうと思っていたセリフを頭の中で繰り返す
が、ドキドキしすぎて、よくわからない。
そうしているうちに、夫が入ってきた。
「おう」とも何とも言わずに、すっと私の正面に座った。
そして心なしか、顔が日焼けしている。
デートでどこかに遊びにでも行っていたのだろう。
洋服が昨日と違う。無断外泊したのに。
ぶっきらぼうに
「なに?」と聞かれたので
「あーあの、A子さんと不倫してるよね?」
とこちらも単刀直入に言った。
「・・・・・・」
夫は黙っている。
しばらく黙って
「証拠は?証拠はあんのかよ?」
と挑発的な態度で聞いてくる。
え、そういう態度なの?
私は戸惑いながらも伝えたい事だけ言った。
「調査をさせてもらったよ。今、手元にはないし、見せることはできないけど調査報告書もある」
と言うと
夫は表情一つ変えずに
「ああ、そうだよ。一緒に仕事をしていて、仕事もできるし。そういう(体の)関係もあるね。」
とあっさり認めた。
ごめんとは一言も言わない。悪びれる様子もなく、開き直っている。
仕事もできるしって何様なの?
「慰謝料請求させてもらうね」と私が言うと
「どうぞ。」 と一言だけ言った。
は?
何その態度。
私はちょっと冷静さを失いかけて
「あ、あと。彼女、妊娠しているよね?」
と言った。
すると、夫の表情が明らかに変わった。
夫は目をむいて私をにらみつけた。
何でにらまれなければいけないのだ。
意味が分からない。冗談じゃない。
一歩も引かない気持ちでにらみ返した。
数秒間にらみあった。
「産婦人科について行ったこと、知ってるよ。」
と私は伝えた。
「頼まれたから、ついて行っただけ。」
夫はそう答えた。
「妊娠?知らないね。勝手に手術したんじゃないの?」
まるで他人事のようだった。
そんな言い方ができる人だったんだ。
「話はそれだけ?帰る。」
と言って、席を立って出て行ってしまった。
注文したアイスコーヒーは、一口もつけなかった。
私は夫のあまりの態度に、その場に呆然と数十分座っていた。
今の態度はなんだ?
信じられない。
少しは謝るだろうと思っていた。しかし、一言も謝らなかった。
謝罪を期待したほうが悪かったのかとさえ思えてきた。
こんな人だったのか。
私は何を見ていたんだろう。
自分の愚かさに呆れた。
しかし、妊娠の一言が出たとたん、席を立って出て行ってしまったのは明らかにおかしい。
やはり妊娠は本当なんだろうなと、ちょっと冷静に考えていた。
隣にいた客も変に思っているだろう。
ただ事ではない中年の男女が揉めて男性が先に出て行ってしまった。
私は急に居たたまれなくなって店を出た。
スマホのボイスレコーダーにこの一連のやり取りを録音したものの、一度も聞いていない。
腹が立ちすぎて、今後も聞くことはないと思うが、しっかり、不貞行為は認めた。
帰ると、夫は自室に閉じこもっていた。
強がってるけど、ショックを受けているのだろう。
証拠を見せないのには理由がある
ドラマなんかだと
こういう対決の場面で、探偵の調査報告書を
ばーーーん!!と机にたたきつけて
「これは何?説明して!!!」みたいな場面をよく見る。
しかし、私はその場に調査報告書さえ持って行かなかった。
なぜなのか。(ちょっとやりたかった気もする。)
最初の段階でそれを全部見せてしまうと
「私が知っているのはこの範囲です。」という
自己紹介になってしまい、言い訳をされたり、
証拠隠滅を図られたりしてしまうからだそうだ。
また、裁判になった先のことも考えて、
最初から自分の手の内を見せるという事は普通はしないそうだ。
証拠はあるけど、見せない。
「どこまで知ってるんだろう?」
「もしかしてあの時、撮られていた?」
相手にとっては恐怖だ。
探偵の調査報告書はお守り
思い返せば、探偵の担当者も、弁護士の先生も同じことを言っていた。
「調査報告書なんか、見せる場面はないからね。持っとくだけよ。」
「調査報告書は旦那さんには見せないので、お預かりします。」
実際、調査報告書は今も弁護士事務所で預かってもらっている。
結局、弁護士さん以外には一度も誰にも見せていない。
取りに行くこともおそらくないだろう。
見せないにもかかわらず、絶大な力を発揮するのが探偵の調査報告書なのだ。
お守りのようなものとよく言われるけど、本当にそう思う。
この時はまだ実感していなかったが、後々、証拠の力を身をもって感じる場面が何回もあった。
弁護士を通じての内容証明送付
こうして夫と対決をし、
不倫相手A子に対する慰謝料請求を宣言した私はついに
慰謝料請求の内容証明を弁護士を通じて送ることになる。
内容証明を送るにあたって、住所・名前など公的なもので正確に確かめる必要があったので、
弁護士を通じて職務上請求で住民票を取ってもらった。
「職務上請求」
弁護士は、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
ーーーーーーそこで、私は新たな衝撃の事実を知ることになる。
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