不倫した側が言う「夫婦関係は破綻していた」は通用する?慰謝料請求と証拠・LINE対策

不倫の証拠集め


不倫が発覚したあと、夫にも不倫相手にも言われました。

「夫婦関係は破綻していた」
「夫婦として機能していなかったと聞いている」

だから、慰謝料は少なくなるはずだ、と。

……冗談じゃない、と思いました。

不倫が発覚するまで、私たちはどちらかといえば仲のよい夫婦でした。

娘の成長を一緒に喜び、中学受験を家族で応援してきました。

しかも、ほんの3か月前には、夫の方から誘われて夫婦2人で旅行に行っています。

それなのに、不倫が発覚した途端、

「夫婦は破綻していた」

と、別人のように繰り返すようになりました。

それは、あまりにも都合がよすぎるでしょう。

この記事では、不倫した側がよく口にする「夫婦関係は破綻していた」という言葉について、
私がどう受け止め、どのような記録を残し、LINEで何に気をつけていたのかを書きます。

※この記事は、私自身の経験と公開されている法律情報をもとにまとめています。夫婦関係が破綻していたかどうかは、個別の事情によって判断が異なります。慰謝料請求や離婚協議を進める場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。


不倫した側が「夫婦関係は破綻していた」と主張する理由

不倫が発覚したからといって、相手が素直に謝るとは限りません。

むしろ、さまざまな言葉を使って、自分の責任を軽くしようとすることがあります。

というか、素直に謝る方が少数派なのかもしれません。

私が実際に言われたり、よく耳にしたりするのは、次のような言葉です。

夫婦関係はもう終わっていた
家庭内別居だった
夫婦として機能していなかった
妻からモラハラを受けていた
家庭に居場所がなかった
癒やしがほしかった
自分だけが悪いわけではない

まるで、不倫された側にも原因があったかのように言ってくるんです。

言われた方は、怒り心頭ですよね。

本当に夫婦関係に問題があったのなら、まず夫婦で話し合うべきだったはずです。

百歩譲って、夫婦関係を続けられないほど苦しんでいたのなら、

不倫をする前に離婚の話をすればよかった。

それをせず、不倫が発覚したあとになって、

「夫婦関係は破綻していた」と言われても、納得できるわけがありません。


法律上の「夫婦関係の破綻」とは?不仲だけでは決まらない

不倫相手に慰謝料を請求する場面では、不貞行為が始まった時点で夫婦関係がすでに破綻していたかどうかが問題になることがあります。

過去の最高裁判決では、配偶者と第三者が肉体関係を持った当時、すでに婚姻関係が破綻していた場合、特段の事情がない限り、第三者は不法行為責任を負わない

という考え方が示されています。

つまり、不倫相手にとっては、

「自分が交際を始める前から、夫婦関係は壊れていた」

と主張する意味があるわけです。

ただし、夫や不倫相手が「破綻していた」と言えば、
それだけで法的に破綻していたことになるわけではありません。

たとえば

会話が少なかった
夫婦喧嘩が多かった
夫婦生活がなかった
家の中で別々に過ごしていた
家庭内別居のような状態だった

という事情があったとしても、その一つだけで直ちに「婚姻関係が破綻していた」と決まるものではないと考えられます。
実際には、

別居していたか
別居期間はどのくらいだったか
離婚の話し合いが具体的に進んでいたか
離婚調停などの手続きをしていたか
夫婦や家族としての生活実態が残っていたか
関係を修復しようとする動きがあったか

など、さまざまな事情から総合的に判断されます。

「夫婦は破綻していた」は、言った者勝ちの魔法の言葉ではありません。


不倫発覚の3か月前まで、夫婦で旅行に行っていた

私がどうしても納得できなかったのは、夫婦関係が完全に終わっていたとは思えない出来事があったからです。

不倫が発覚する、ほんの3か月前。

娘が塾の合宿に行き、夫婦2人だけで過ごす時期がありました。

そのとき夫の方から、
「2人でたまにはどこか1泊で行こうよ」

と誘ってきたんです。

2人でおいしいものを食べ、素敵なホテルに泊まり、楽しく過ごして帰ってきました。

もちろん、夫婦には外からは見えない事情があります。

仲よく見える夫婦でも、内側ではさまざまな問題を抱えていることがある。

それは私も分かっています。

それでも、不倫発覚後に突然、「夫婦は破綻していた」

と繰り返されたとき、私は思いました。

それは、あとから自分に都合よく作った話でしょ?

「破綻していたというなら、どうしてあのとき自分から旅行に誘ったの?」

すると夫は

「夫婦関係を何とかしようと思って、無理して誘った。」と言いました。

……は?めちゃくちゃ楽しんでいたのに?

意味不明です。あなたの理論が破綻してますって。

あまりにも苦しい言い訳でした。

夫婦で旅行に行ったこと
夫の方から誘ってきたこと
旅行中、夫も楽しそうにしていたこと
娘の受験を家族一丸となって応援していたこと
家族としての生活が続いていたこと

それらが、不倫発覚後の「破綻していた」という一言で、
すべてなかったことにされるのでしょうか?

そんなことが、まかり通るはずはないと思いました。


夫婦関係が破綻していない証拠として残した日常の記録

私は途中から、夫婦関係や家族としての生活が完全には消えていなかったことが分かる記録も残すようにしていました。

家庭内別居のような状態になったあとも、夫が家で娘と一緒に食事をすることがありました。

なぜか洗濯物だけは干してくれていたので、その姿も写真に残しました。

これは、「私たちはずっと仲よし夫婦でした」

と言うためではありません。

もちろん、たまに喧嘩したりもしてました。うまくいかない時期だってありました。

不倫が発覚してからはさすがにぎくしゃくしましたが、

それでも、夫婦や家族としての生活が完全になくなっていたわけではない。

一緒に生活していたんですから。

その事実を残しておきたかったんです。

同じ家で生活していた
家族として食卓を囲んでいた
家事を分担していた
娘のことを夫婦で支えていた
夫婦や家族としての日常が続いていた

こうした何気ない日常も、あとから自分を守る材料になるかもしれません。

当時は使うかどうか分からなくても、念のため記録していました。


不倫発覚後のLINEは証拠になる|感情的に返信しなかった理由

もう一つ、私がかなり気をつけていたのが、夫とのLINEです。

夫から腹の立つことを言われることは何度もありました。

言い返したい。

責めたい。

「どの口が言っているの?」
「頭おかしいんじゃないの?」

そう言いたくなることも、本当に何度もありました。

でも途中で気づいたんです。

もし夫が弁護士に相談したら、私から届いたLINEを見せるかもしれない。

「妻からこんなLINEが来ています」
「こんなに責められていました」
「夫婦関係はすでに壊れていました」

そう主張される可能性があります。

そのとき、私が激しい言葉を何度も送っていたら、そこだけを切り取られるかもしれません。

「妻は攻撃的だった」
「妻からモラハラを受けていた」
「夫婦関係は修復不能だった」

そんな主張に使われる材料を、自分から増やしたくありませんでした。

だから私は、途中からLINEの送り方を徹底しました。

できるだけ冷静に書く
文章を短くする
人格を否定しない
相手を罵倒しない
感情を排除する
必要な事実だけを伝える

たとえば、夫から私の行動について非難するようなことを言われたときも、

「それは、あなたの不倫が原因です」

このくらいで止めました。

怒りがなかったわけではありません。

むしろ、怒りしかありませんでした。

それでも、怒りをLINEに残さないことが、自分を守ることにつながると考えました。


夫は自分の暴言LINEも証拠になると気づいていなかった

一方で、夫は自分のLINEも記録として残ることに、最後まであまり気づいていなかったようです。

自分が不倫した側なのに、私を責める言葉を何度も送ってきました。

私は内心、思っていました。

そのLINE、全部残っているけど大丈夫?

夫は「離婚調停を申し立てる」と言ってきたこともあります。

そのときでさえ、私を責める言葉や、悪口のような文章を並べていました。

実際にどのような評価を受けるかは、個別の事情によります。

私たちは調停には進まず、最終的には協議離婚をしました。

ただ、もし調停や裁判になっていたら、夫自身が残した数々の言葉も、

第三者の目に触れることになったはずです。

夫は不貞行為をした有責配偶者でもあります。

そのうえ、自分を不利にするかもしれないLINEまで残していました。

ある日、私は目に余る内容のLINEを受け取り、夫に冷静に聞きました。

「そんな言い方や暴言を残していて、本当に離婚できると思う?」
「弁護士でも誰でもいいので、このLINEを第三者に見せて聞いてみたらどう?」

そこでようやく気づいたのか、その後は冷静に、淡々とLINEで話し合えるようになりました。

今思えば、協議離婚で済んでよかったのは、夫の方だったのかもしれません。


不倫された怒りは当然。でも残す言葉は選んだ方がいい

不倫された側が怒るのは当然です。

傷ついて当然です。

責めたくなって当然です。

言い返したくなって当然です。

だから私は、

「怒ってはいけない」
「常に冷静でいなければいけない」

と言いたいわけではありません。

ただ、その怒りをどこに残すかは、とても大事だと思います。

LINEやメールなど、文章として残るやり取りは、あとから弁護士や調停委員など、

第三者の目に触れる可能性があります。

私は、感情を夫へのLINEにぶつけるのではなく、なるべく別の場所に逃がすようにしていました。

ノートに書く
信頼できる人に聞いてもらう
自分の中で整理する
必要であれば専門家に相談する

相手に送る文章には、必要以上の感情を残さない。

これは、当時の私がかなり意識していたことです。


「夫婦は破綻していた」は慰謝料を逃れる魔法の言葉ではない

不倫した側から、

「夫婦関係は破綻していた」

と言われると、自分にも原因があったのではないかと不安になる人もいると思います。

夫婦として足りない部分があったのかな。

私にも悪いところがあったのかな。

だから慰謝料を請求できないのかな。

そんなふうに、自分を責めてしまうかもしれません。

でも、「破綻していた」という言葉だけですべてが決まるわけではありません。

確認すべきなのは、言葉ではなく事実です。

本当に婚姻関係が破綻していたのか
いつから破綻していたといえるのか
不貞行為はいつ始まったのか
夫婦としての生活実態が残っていなかったのか
離婚に向けた具体的な話し合いや手続きが進んでいたのか

私は、そのために記録を残しました。

家族として過ごしていた写真
夫婦で旅行に行った記録
日常生活が続いていたこと
夫とのLINE
家族としての生活実態が分かるもの

不倫の証拠だけではありません。

夫婦関係が破綻していなかったことを示す記録も、自分を守る材料になるかもしれない。

私はそう考えていました。


証拠は後からさかのぼって取れない

不倫の証拠も、日々の生活の記録も、あとからさかのぼって取ることはできません。

LINEなどの記録も、後から同じ状態で確認できるとは限りません。

証拠として大切なやり取りは、必要に応じてスクリーンショットなどで保存していました。

だから私は、使うかどうか分からなくても、念のため記録を残しました。

当時は、こんなものが本当に役に立つのかな?

と思ったものもあります。

でも後になって、取っておいてよかった。あのときの自分、グッジョブ!

と思った証拠がありました。

私の場合、
一度目の慰謝料請求で作成した女との示談書に、

再び不貞行為をした場合は、1回につき、違約金300万円を支払うこと

という条項を入れて合意していました。

まさか、本当に再度請求することになるとは思っていませんでした。

しかし、保存していた証拠が、あとから思わぬ形で役に立ちました。

詳しい経緯は、こちらのロードマップに書いています。👇


「夫婦関係は破綻していた」と言われた人へ

もし不倫した側から

夫婦はもう破綻していた
家庭内別居だった
夫婦として機能していなかった
自分はモラハラを受けていた

と言われているなら、まず伝えたいです。

その言葉だけで、あなたが悪いと決まるわけではありません。

傷ついて当然です。

腹が立って当然です。

納得できなくて当然です。

でも、感情のまま応戦する前に、ほんの少しだけ立ち止まってみてください。

事実として何が残っているか
今から何を記録しておけるか
自分が不利になる言葉を送っていないか
誰に相談すればよいか

そこを冷静に考えることが、あとから自分を守ることにつながるかもしれません。

私も、最初から冷静だったわけではありません。

途中で気づき、そこから徹底しました。

必要な証拠を残し、不要な言葉は残さない。

「夫婦関係は破綻していた」

そう言われても、まずは落ち着いてください。

不倫した側が、自分の責任を軽くするために口にすることの多い言葉です。

言葉ではなく、事実を見る。

感情ではなく、記録を残す。

そして必要なときは、専門家に相談する。

自分と子どもの生活を守るために、覚えておいてほしいと思います。

離婚ロードマップを読む👇

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