無料法律相談はどこまで聞ける?何人もの弁護士に相談して分かった「相性」の大切さ

弁護士選び

不倫が発覚した直後、私は何も分からなかった。

法律の知識はゼロ。

離婚と、不倫相手への慰謝料請求が別の案件になることすら知らなかった。
弁護士へ依頼すれば、相談料とは別に着手金が必要になることも、この時初めて知った。

当時私は、まだ夫とは離婚しておらず、家庭内別居中だった。
探偵の証拠が撮れ、いよいよ、不倫相手A子へ慰謝料請求しようと
弁護士に相談に行くことにした。

何を質問すればいいのか。
何を確認してから依頼を決めればいいのか。

それさえ分からない状態で、真夏の東京を何件も弁護士事務所へ相談に回っていた。
今思い出しても、本当に苦しかった。

「無料法律相談」は、どこも同じだと思っていた

私は最初、弁護士の無料相談はどこも似たようなものだと思っていた。

しかし、実際に調べて相談してみると、料金体系だけでもかなり違った。

最初から相談料が5,000円かかる事務所もあれば、
1時間までは無料で、その後は有料になる事務所もあった。

一方で、「不倫慰謝料の相談は無料」

と案内している事務所もあった。

どの事務所も「離婚に強い」とうたっていたが、相談料も対応もまったく同じではなかった。

無料相談の後も質問できると思っていた

私は、無料相談が終わった後でも、分からないことがあれば多少は質問してよいものだと思っていた。

面談を終えて自宅へ戻ってから、確認したいことが出てきたため、メールでお礼と質問を送ったことがある。

しかし、返信はなかった。

後日こちらから電話をすると、事務所の方から、

「質問は契約後にお願いします」と言われた。

今なら、無料相談後の追加質問には対応しないという事務所の方針も理解できる。

弁護士の時間にも限りがあり、
契約前の相談にどこまで対応するかは事務所によって違うのだろう。

弁護士は、知識を時間で売る仕事なのだ。

ただ、当時の私はそのような仕組みすらよくわかっていなかった。

不倫が発覚して混乱し、法律についても何も分からない。

その状態で1時間ほど話を聞いただけで、

「この先生に人生の大切な交渉を任せよう」

と即決することは、私にはできなかった。

無料相談が終わってから疑問が出てくる

相談へ行く前に、質問を整理しておくことは大切だと思う。

相談時間には限りがある。

時系列や証拠、相手との関係、自分が今後どうしたいのかを整理しておけば、限られた時間を有効に使える。

しかし、不倫が発覚した直後に、それを理路整然とできる人がどれほどいるのだろう。

少なくとも、私はできなかった。

少しは質問を用意して行った。

しかし、頭の中は混乱していた。

その場では弁護士の説明を聞くだけで精いっぱいだった。

相談が終わり、少し落ち着いてから、

「あれはどういう意味だったのだろう?」

「この場合はどうなるのだろう?」

と疑問が次々に出てきてしまう。

それをクリアせずに契約することは私にはできなかった。

だからこそ、契約前にもう少しコミュニケーションを取りたかった。

無料で何度でも法律相談に乗ってほしかったわけではない。

この先生に依頼して大丈夫なのかを判断するために、最低限の確認をしたかったのだ。

契約前でも何度も話してくれた弁護士もいた

すべての弁護士が同じ対応だったわけではない。

最終的に私が依頼した弁護士は、契約前でも何度も電話で話をしてくれた。

分からないことを質問すると、きちんと説明してくれた。

「今の状況なら、こうしてみたら?」というアドバイスもくれた。

そのやり取りを重ねる中で、私は初めて、

「この先生にならお願いしたい」と思うことができた。

相談料が無料だったか、有料だったかだけではない。

契約前にどのようなコミュニケーションが取れるのかも、私にとっては大切な判断材料だった。

「離婚に強い」と「自分に合う」は同じではない

私が相談した弁護士事務所は、どこも「離婚に強い」と案内していた。

そのため、相談する前は、どこへ行ってもそこまで大きな違いはないと思っていた。

しかし、実際には驚くほど差があった。

説明の仕方も違う。

依頼者との距離感も違う。

早期解決を優先する先生もいれば、依頼者の希望を聞きながら方針を考える先生もいた。

同じ証拠を見せても、反応や提案は同じではなかった。

「離婚に強い」と「自分に合う弁護士」は、必ずしも同じではない。

「立派な経歴」と「自分に合う弁護士」も、必ずしも同じではない。

何人もの弁護士に相談したからこそ、私はそのことに気づいた。

真夏の東京で弁護士事務所を回った

不倫が発覚して、傷ついて、ボロボロの精神状態のまま、私は真夏の東京を歩いていた。

駅から弁護士事務所まで歩き、相談を受け、また次の事務所へ相談に行った。

相談のハシゴだ。地獄のように暑かった。

ただでさえ心が弱っているのに、慣れない場所へ行き、初対面の人に夫の不倫について説明しなければならない。

そのたびに、自分の傷を最初から話し直すような感覚があった。

相談へ行っても、話がうまく伝わらないことがあった。

冷たく感じる対応を受けたこともあった。

帰り道、

「私は何をやっているのだろう」

と思った。

こんな目に遭っているなんて、親にも誰にも知られたくない。

そこまで考えるほど、惨めで苦しかった。

もう途中でやめたいと思った

弁護士探しを途中でやめたいと思ったこともある。

もう誰にも相談したくない。

自分で請求する?そんな気力体力も残っていない。
いっそ、慰謝料請求もやめてしまおうか。

そう思った。

しかし、ここでやめれば、探偵に依頼したことも、証拠を集めたことも、これまでの苦労も水の泡になる。

その思いだけで、何とか次の相談へ向かった。

次は、依頼できる弁護士に出会えるかもしれない。

今振り返れば、無理をしていたと思う。

それでも途中でやめなかったから、最後に安心して任せられる弁護士と出会うことができた。

その先生に出会えたとき、私は本当に救われた。

無料相談だからこそ比較できた

私の場合、複数の弁護士に相談できたことは大きかった。

すべてが有料相談であれば、何人もの弁護士を比較するのは難しかったと思う。

法律の知識がない状態では、一人目の弁護士の説明が一般的なのか、
その先生独自の考え方なのかも分からない。

複数の先生に相談することで、少しずつ違いが見えてきた。

自分が何を重視しているのかも分かるようになった。

私は、強気な言葉だけを求めていたわけではない。

何でも自分の希望どおりにしてほしかったわけでもない。

リスクがあるなら、きちんと説明してほしい。

そのうえで、どのような選択肢があるのかを一緒に考えてほしかった。

そして何より、

「この人になら、大切な場面を任せられる」

と思える相手を探していた。

私が一番重視したのは、話しやすさ・相性だった。

分からないことを遠慮なく聞けるか。

コミュニケーションが取れる相手か。

結局、私にとって一番大切だったのはそこだった。

無料相談へ行く前に整理しておきたいこと

今なら、相談前にできるだけ情報を整理した方がよいと分かる。

少なくとも、次のことを簡単に書いて持っていけば、相談しやすくなると思う。

  • これまでの経緯
  • 手元にある証拠
  • 誰に何を請求したいのか
  • 離婚を考えているのか
  • 一番聞きたいこと
  • 弁護士費用と今後の流れ

ただし、完璧に整理する必要はない。

できない自分を責める必要もない。

不倫が発覚した直後は、混乱して当然だと思う。

離婚と慰謝料請求が別の案件になることすら知らなかった私でも、
少しずつ理解し、自分に合う弁護士を選ぶことができた。

相談者も弁護士を選んでいい

法律相談へ行くと、依頼者の側が弁護士に評価されているような気持ちになることがある。

自分の説明が下手なのではないか。

こんな質問をしたら迷惑なのではないか。

依頼を断られたらどうしよう。

当時の私は、そのように考えていた。

しかし、相談は弁護士に選ばれるだけの場ではない。

相談者が、「この先生に任せたいか」を判断する場でもある。

弁護士が依頼を引き受けるか、選ぶように、依頼者も弁護士を選ぶ権利がある。

一度の相談で決められなくてもよい。

疑問が残るなら、別の先生にも相談してよい。

弁護士は先生と呼ばれ、立場的に上に感じるが、こちらは依頼する顧客の立場であり、

本来は対等なはず。

事務所によって考え方も対応も違うからこそ、比較する意味があると思う。

弁護士選びは「相性」も大切|納得するまで探すべき理由

この記事を書きながら、あの真夏の東京を思い出した。

何も分からないまま、いくつもの弁護士事務所を回った。

やみくもに相談に行っても、消耗するばかりなので、
ネットで検索→電話でフィーリングを確認してから、
面談に行く方法に途中で作戦変更した。

傷ついたうえに、さらに自分で調べ、説明し、判断しなければならない作業は
辛いものだった。

途中で何度もやめたいと思った。

本当に苦しかった。娘には、こんな思いを絶対にさせたくない。

そして、今まさに不倫や離婚の問題で苦しんでいる人にも、伝えたい。

何も分からなくて当然。

相談した弁護士に違和感を持ったからといって、自分がおかしいとは限らない。

焦ってその場で決めなくてもよい。

安心して話ができる先生に出会うまで、別の相談先を探してもよいのだ。

私は何人もの弁護士に相談し、最後に心から信頼できる先生と出会った。

途中で諦めなくて、本当によかったと思っている。

だから、今苦しんでいる人にも伝えたい。

自分が納得できる、相性のいい先生に出会うまで、諦めないでほしい。

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